7月20日、令和6年度の「曽我どんの傘焼き」を県立石橋記念公園にて実施致しました。
ここに来れば、薩摩の伝統がすべて観られる。とは少し大げさかもしれませんが、薩摩琵琶弾奏、薩摩の傘踊り、剣舞、自顕流演武、天吹が披露され「傘焼き」を盛り上げました。
日中、灼熱の暑さで照り付けていた太陽が、やっと沈みかけた頃、石橋公園にある西田橋の下を流れる川に鹿児島神社山下宮司の「薩摩琵琶」の音が響き渡りました。なかなか耳にする事のない音色に心が洗われるようでした。
「薩摩の傘踊り」は曽我どんの傘焼きを歌った曲で、歌詞にも「燃えよ燃えよ曽我どんの傘焼き…」とあります。今年は、この日の為に2月から練習を積み重ねてきた春日流壽毬会の岩崎3姉弟が舞を披露してくださいました。
続いて薩摩神刀館の剣舞の披露です。中島成洲さんの「曽我兄弟」、 山本鶴洲さんの「薩摩義士」、どちらも「曽我どんの傘焼き」に縁のある演目でした。
薩摩に伝わる剣、薬丸野太刀自顕流保存会の力強い打ち込みの音と声が響き渡り会場の熱気も上がってきました。気が付けば暗闇が近づき櫓の上には月が覗いていました。
いよいよ締込み姿の「傘焼き隊」が古傘を担いで登場しました。曽我兄弟の歌「狩場の嵐」のうたいあげのあと傘の櫓に点火すると、しばらくの静寂のあと頂点から炎が吹き上がり櫓は瞬く間に火につつまれました。傘焼き隊の面々は傘を広げて次々に炎の中に投げ込んでいきます。
参加者の歓声と竹の弾ける音、法螺貝、天吹の音色が入りまじり熱気は最高潮に達しました。
用意した約200本の傘が燃え尽き、やがて静寂の暗闇が会場を包み今年の傘焼きが終わりました。
|